「結婚式は、親のためにしようかなと思って。」
「親がやって欲しいと言うので。」
「自分たちは、正直そこまでだけど、 親が喜ぶから」
なぜ結婚式をするのか聞いた時に、よく聞く言葉です。
うんうん、と聞きながら、 わたしは心の中で思っています。
ほんとうに、それだけですか?
誤解しないでほしいのは、 「親のため」が嘘だと言いたいわけじゃなくて、それはきっと本当。
ちゃんと結婚を報告したい。
晴れ姿を見て喜んでくれるならそれでいい。
そう思える人は、根がやさしくて誠実に生きてきた人だと思う。
ただ、その奥に、 もうひとつ別の気持ちが隠れていることがあります。
打ち合わせが進んで、じっくり話していくと、
「ほんとうは、 自分からもちゃんと感謝を伝えたいかも。」
「自分の友人にも、 顔を見てお礼を言いたいな、とは思う。」
おお、と思う。
最初は「親のため」だったはずが、
気づくと自分のための理由が、 ぽろぽろと出てくる。
それを、わたしは、いいなと思って聞いています。
「親のため」と言っていた人は、 きっと本当に親のことを思っている。
それと同時に、 “自分のため” と言うのが、ちょっと照れくさかった、
というのも、あるんじゃないかと思う。
「自分のために、人を集めて、お祝いしてもらう」
これを、すっと口にできる人は、 じつはそんなに多くない。
特に、誠実で、真面目で、 人に気を遣えるタイプの人ほど、
自分を主語にすることに、ためらいがある。
だから、 「親のため」という体裁を借りて、
ようやく、結婚式という選択肢を自分に赦している。
そういうことが、けっこうある気がします。
でも、ちょっと考えてみてほしいんです。
親が本当に喜ぶ瞬間って、 どんな瞬間だと思いますか。
豪華な式に、参列しているとき?
凝った演出を、見ているとき?
たぶん、違くて。
親がいちばん嬉しいのは、
“自分の子どもが、 ちゃんと幸せそうにしている瞬間”
だと思うんです。
「親のため」と「自分のため」は、 じつは反対軸ではなくて、
自分のための式を、心からつくることが、
そのままいちばんの親のためになっている。
なのでわたしは、こうお伝えしています。
親のためはもちろん大切だと思います。
でも、それだけにしないでくださいね、と。
自分たちが、誰に、何を伝えたいか。
自分たちが、どんな時間を過ごしたいか。
そこを、ちゃんと一緒に掘り下げて、見つけていく。
その奥から出てきたものは、 照れくさくてもちゃんと掬い上げます。
それがちゃんとあると認めることがまず第一歩。
ここで言う「自分のため」と言うのは、
自分本位じゃなくて、あなたの正直さです。
親のため、自分のため、両方あっていい。
自分のためを、隠さなくていい一日に。
それが、けっこう大事だと思っています。
おもいを伝える結婚式 / wedding KIVI