最初に、ひとつ言っておきます。
ここで言う「大人婚」は、 式場のLPや広告で見かけるそれとは、
ちょっと違います。
「上質な」とか「落ち着きのある」とか 「丁寧な」とか「温かい」とか
そういう話はしません。
そもそも、それって誰が決めたの、 という感覚の人に向けて書きます。
友人の式は、もう、けっこう見てきた。
「いい式だったね」と言いつつ、 心のどこかで、
「自分だったら、こういうのは、やらないな」
「ここまで豪華にしなくても、いいよな」
「主役、っていう感じが、ちょっと恥ずかしい」
ぜんぶ、思っていい感想だと思います。
それは、穿った見方をしているんじゃなくて、
ただ、もう自分の好き嫌いが、 ちゃんと分かっているだけ。
そういう人にこそ、 わたしは結婚式を、すすめたい。
「結婚式に、正直あまり関心がない」 そう言う人ほど、
じつは、いい式をつくる素質がある。
理由は、シンプルです。
何が好きで、何が違うか、もう分かっているから。
やらないことが、ちゃんと選べるから。
“こうあるべき”に、流されないから。
足し算で華やかにしていく式は、 若い頃の式。
引き算で、本当にやりたいことだけを残す式は、 大人の式。
これが、わたしの言う「大人婚」です。
年齢の話じゃない。 在り方の話。
たとえば。
招待状を、紙でちゃんと送りたい。
食事は、ちゃんと美味しいものを出したい。
ドレスは、ブランドじゃなくて、自分が好きなものを着たい。
スピーチは、いらない。
余興も、いらない。
でも、ゲストと話す時間は、ちゃんと取りたい。
こういう「やる/やらない」の選択が、
ぜんぶ自分たちの感覚の中にある人。
それが、大人。
逆に言うと、 何を残して何を削るか、 自分たちの感覚で選べる人にとって、 結婚式は、すごく楽しいものになります。
「やらされている」感じが、なくなるから。
それから、もうひとつ。
若くないからこそ、「本物を選びたい」という感覚がちゃんと働く。
会場、料理、お花、写真、誰に頼むか。
20代だったら、雑誌やSNSで「人気のあるもの」を選んでいたかもしれない。
でも、もうそれではしっくり来ない。
人気だから、ではなく、自分たちが本当にいいと思うかどうか。
その目利きが、自分の中にある。 それも、大人。
「結婚式は、しなくてもいいかな」 そう思っている人に、
無理にすすめたいわけじゃない。しなくても、生きていけます。
ただ、もし、 これまで関わってきた人たちに、 いま思っていることを、
ちゃんと届けておきたい、という気持ちがすこしでもあるなら。
そのために結婚式を使う、というのは、 けっこういい選択肢です。
意味のないことは、しなくていい。
無理に、感動的にしなくていい。
ただ、自分たちが本当に大切に思っている人に、 本当に伝えたいことを、 自分たちの言葉で、自分たちらしく届ける。
それだけで、じゅうぶん。
それが、大人がやる結婚式。
結婚式は、自分たちをよく見せる日ではなく、 在り方を確かめる日。
何が好きで、何が違うか、 もう分かっている人にこそ、
「このままでいい」と、 確かに思える日が、つくれます。
大人婚、けっこういいですよ。