公開日:2026年6月10日 / 最終更新日:2026年6月10日
結婚式って、無駄なんじゃないか。
一度でもそう思ったことがあるなら、その感覚は、たぶん間違っていません。
大きなお金を、まだ形の見えないものに払う。
身構えますよね。
ましてその「結婚式」に、特にいいイメージを持てていないなら、ためらって当然だと思います。
「もったいない」と感じるのは、たぶんお金の話だけじゃない
「結婚式にお金をかけるのは、もったいない」
そう思うとき、ほんとうに引っかかっているのは、金額そのものではないことがあります。
何にいくらかかって、それで何が返ってくるのか。
当日、自分が何を感じるのか。
やってよかったと思えるのか、それとも、終わってみて「やっぱり要らなかった」と思うのか。
——それが、やる前にはどうしても見えない。
見えないものに大きなお金を払うのは、こわい。
だから「もったいない」という言葉になる。
わたしは、その感覚はとても正直なものだと思っています。
ケチなわけでも、結婚式に冷めているわけでもない。
ただ、まだ見えていないだけ。
(とはいえ、お金の不安そのものも、もちろん本物です。実際にどのくらいかかるのか、その中身を知りたい方は、こちらにまとめています。
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「やる意味がわからない」と言っていた、ある新郎のこと
まだ式場に勤めていた頃、結婚式にあまり気が進まないまま当日を迎えた新郎様がいました。
やったほうがいいのかもわからない。 当日がどういうものなのかも、よくわからない。
そこに大きなお金を払うことに、納得しきれていない様子でした。
遠方にお住まいのおふたりで、打ち合わせはほとんどオンライン。
結局わたしは、当日まで一度も直接お会いできませんでした。
準備の間、新郎様はなかなか心を開いてはくれませんでした。
ただ、こちらが聞いたことには、いつも素直に答えてくれる人でした。
距離があるのではなく、まだ実感が持てていないだけ。
そんなふうに見えていました。
当日、見えなかったものが、見えた
そう感じたまま迎えた当日、新郎様の表情が変わった瞬間がありました。
新婦様の希望で乗り気でない新郎様も巻き込み、家族みんなで分かち合えるサプライズをひそかに仕込みました。
それを開いたとき、家族やゲストが、心からお祝いしている顔や歓声が伝わってきた。
自分たちが用意したことで、目の前の人がこんなに喜んでいる。
その顔が、実際に見えた。
新郎様は、とても嬉しそうで、すこし誇らしげな表情をしていました。
緊張していた表情が、このあたりから、ゆっくりとほぐれていきました。
そしてもうひとつ。
お色直しの退場の場面。
準備の段階では、最初は「自分ひとりでいい」と言っていた新郎さん。
新婦さんとわたしに絆されて、「じゃあ祖母で。小さい頃、世話になったから」と乗ってはくれたものの、
正直、あまり実感が湧いていない様子でした。
でも当日、おばあさまが隣に来て、手を握ったその瞬間。
新郎さんは、口元をきゅっと結んで、こらえていました。
なんとなく頭でわかっていたことが、実感に変わる。
ちゃんと、心が動いた。
そういう瞬間だったのだと思います。

「やってよかった」
式が終わったあと、新郎さんは「やってよかった」とホッとした表情で言ってくれました。
たくさんの言葉ではありませんでしたが、とても実感のこもった温度のある言葉。
事実だけ見たら、見えなかったものが、見えた。
それだけのことだったのかもしれません。
でも頭で考えている事と実際に体感することは、こんなにも感情を揺さぶるのだと
私自身も感じた結婚式でした。
あなたが「無駄」と思っているのは、たぶん”よくある結婚式”のこと
ここまで読んで、「自分はそうはならない」と思った方もいるかもしれません。
それでいいと思います。やらない、という選択も、間違いではありません。
ただ、ひとつだけ。
あなたが「無駄」「もったいない」と感じているのは、
もしかしたら、頭の中にある”よくある結婚式”のことかもしれません。
なんとなくお決まりの流れがあって、何が正解かわからない、誰がやってもだいたい同じ形になる、あの一日。
それを無駄だと感じるなら、その感覚は、たぶん正しい。
でも、結婚式には、それとは別の形もあります。
何を大事にするかから始めて、自分たちにとって必要なものだけ残す形が。
やったほうがいい、とは言いません。
ただ、「無駄かもしれない」でいったん閉じてしまう前に、
別の形もあることだけ、知っておいてもらえたらと思います。
もう少しだけ、考えてみたい方へ。
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